| トカイ・アッスの“アッス”とは、ハンガリー語で“貴腐”という意味で、貴腐とは、密着果房で晩熟種の白ワイン用ぶどう(フルミント、ハーシュレベルーなど)が完熟したところにボトゥリティス菌によるカビが発生し、腐敗することをいいます。ボトゥリティス菌に感染したぶどうは皮が薄くなり、果肉の水分が蒸発し、萎縮してしわしわになります。この状態になると、もともと20%ほどであるぶどうの糖分は、40〜60%まで増え、貴腐の起こったぶどうの果粒は独特の香りを持ちます。
黄金色に輝くトカイ・アッス・ワインをつくるため、アッスは収穫の際に手積みで選別されます。摘み取ったアッスは砕いてペースト状にされ、ベースワインに加えられます。この際のベースワインは、アッスのない、またはアッスが取り除かれたハーシュレベルーやフルミントから作られた、香り高く高品質の辛口白ワインです。
アッス・ワインの甘さは、ゲンチと呼ばれる樽に入った白ワインに、どれだけの量のアッスが加えられるかで決まります。その量は、プットニョシュという手桶のような容器が基本単位とされていて、1プットニョシュは約25キロのアスーに相当します。トカイ・アッス・ワインには、3、4、5、6プットニョシュの4種類があり、さらにベースワインを全く加えず、圧搾されたアスーの果汁だけを集めた最高級のアッス・ワインは“エッセンシア”と呼ばれ、はちみつのようにとろりとして濃厚な逸品です。
また、トカイには“ソモロドニ”という伝統的なワインがあります。ソモロドニとはポーランド語で“自然のまま”という意味で、アッスを選別せず、房ごと収穫し加工されたワインのことをいいます。
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